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マージービートを聴く 5 [音楽]

ザ・フーといえば、昔見たテレビのビデオクリップだと思うが、持っていたギターをステージの床に叩きつけて破壊してしまうシーンがとてもショッキングで、印象に残っている。
方や、愛するギターを宝物のように扱う人もいるのに。「何てことするんだ!」と、子供心にも凄惨なシーンに思えて、暗々とした気持ちになった。
破壊衝動というのは人間だれでも持っているものだと思うが、商売道具をぶっ壊すという行為は理解しがたく、演奏フィナーレのパフォーマンスだったのだが、ためらいはまったく感じられなかった。
心理的にはハイな状態。恐らくは絶頂感にあるのだろうか?
まさしく「ロックは破壊だ!」と言うことだろうが、実際、後のパンク・ロックのアーティストに大きな影響を与え、クラッシュなどは「ロンドン・コーリング」のジャケットにおいて、それを実践して見せている。
今思えば、その破壊行為を行う心理状況、理解できないこともない。
若気の至りというか、若いうちは何かと無謀なことをやってみたくなるものだ。

「マイ・ジェネレーション」は、全英2位まで上昇し、ザ・フーの知名度をアップさせた初期のヒット曲だ。
また、この曲はのちに映画「さらば青春の光」において挿入歌として使用されたことも話題を呼んだ。
この映画ではゲスト出演とも言うべき、モッズのエース役の(スティング)の存在が光っていて、そちらに目を奪われてしまうのだが、主役のジミー(フィル・ダニエルズ)の鬱屈した少年役もなかなか良い。
ダンス会場にて、ムーディーな曲にあわせて皆が踊っている姿を不満大有りで見つめるジミー。すぐさまムーディーな曲のレコードを「マイ・ジェネレーション」に切り替えてしまう。すると今までゆっくり踊っていた連中は、急にタテノリになって踊ってしまう(笑)
憧れの存在エース(スティング)の現実の姿を見てしまったジミーはやけくそになって、エースのべスパをかっぱらい、崖からもろとも身投げしようとするが、結局出来ないで自身の情けなさや愚かさを痛感し、とぼとぼと歩き出す。
自由に生きようとしてはいるが自由をかましきれない、若者の持って行きようのない不満、エネルギーが充満した映画だ。

では、「マイ・ジェネレーション」を聴いてみよう。
http://www.williambowles.info/music/My%20Generation.mp3

The Who Sings My Generation

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  • アーティスト: The Who
  • 出版社/メーカー: Sony International
  • 発売日: 1990/10/25
  • メディア: CD


さらば青春の光

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  • 出版社/メーカー: ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン
  • 発売日: 2005/11/25
  • メディア: DVD


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deacon_blue

☆ このレコーディングをした当日は寒い日で,歯をカタカタ言わせながらスタジオに来たのさと答えたのが若き日のロジャー・ダルトリー。だから吃音になったと言い訳しているけど,それは全くのウソ。あの吃音で,吐き出すように歌う感覚こそ「怒れる若者」ザ・フーのファースト・コンタクトだった。

☆ この映画で主人公の相手役だった人は,当時の英国ではちょっとした人気シンガー。映画の勢いに乗って主人公も下手な歌を出している(下手と言い切れるのはチャンとそれを聴いたから~爆^^;)。
by deacon_blue (2007-04-14 10:00) 

雨水

deacon_blueさん、nice!+コメントありがとうございます。
歯をカタカタって言うのは、なかなかユーモアのある言い訳です。でも吃りをバカにした歌ではなく、「怒れる若者」のメッセージであるところがこの曲の魅力ですね。

この映画は原題からも分かるとおりザ・フーの2枚組「四重人格」がベースで、邦題は何でこれになったか?と、考えるとやっぱりセールスを考えての事なのでしょうが、映画を観るとこの邦題でよかったかもなと、少し納得させられます。
by 雨水 (2007-04-14 17:43) 

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