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クリスマスに観る映画 [映画]

後輩が「雨水さんっ、クリスマスに彼女と見る映画っつったら、何がイイっすかね?」
というもんだから、そうねぇ、ディズニーもんでも観とけよ。と、適当に答えておいた(笑)
しかし、まじめに考えると次の映画が思い浮かんだので、これをおすすめしたいところだが
後輩はアホなので、難しいだろうな。

「ブラザーサン・シスタームーン」1972年 伊作
13世紀イタリアに実在した聖フランチェスコの物語だ。
裕福な商人の家に生まれたフランチェスコは、隣国との戦い(十字軍遠征)
に出かけるが傷ついて命からがら戻ってくる。
何日も高熱にうなされたあげく、精神的に覚醒する。
小鳥を追って屋根に登り、手のひらに捕まえた小鳥を「さあ」と空に放ち
そのまま、屋根のてっぺんで両手を広げる。
そんなフランチェスコの姿を父母、ギャラリーは奇異に見つめる。

ある日、フランチェスコは商売用の織物を二階の窓からほとんど投げ捨ててしまう。
「物は心の重荷だ、全部捨ててしまおう!私たちの宝は天国にあります!地上の富は無価値です。捨てろ、皆で捨てるのだ!」
激怒した親父はフランチェスコを殴りつけ、教会へ引きずっていく。
食事中で迷惑そうな司教に
「この馬鹿息子は、私の財産を窓から投げて見ず知らずの人間に与えてしまったんです。どうかお裁きを!」
するとフランチェスコは
「鳥のように生きたい・・・自分の魂を取り戻したいのです。私は生きたい、野の暮らし、丘に行き、木に登り河に泳ぐ・・・この足で大地を確かめたいのです。私は貧者になりたい。キリストも貧者でしたし、その使徒も・・・その自由が欲しい。・・・もう息子ではない・・・肉からは肉しか生まれず、霊は霊からのみ生まれるのです」
司教も父母も絶句し、唖然としてしまう。
その前で、着ている物を全て脱ぎ捨て
「・・・もう父も子もない・・・家を捨て兄弟を捨て、父を捨て、母を捨て、子を捨て、畑を捨て、天なる父を求める者は次の世で100倍も報われる・・・」
両親と絶縁を宣言したフランチェスコは裸のままでゆっくりと教会から出て行く。
おだやかに流れるドノバンが歌うテーマ曲。
フランチェスコは村の原っぱにある廃墟、サン・ダミアノ教会の再建にのりだす。

今で言うととってもカルトな人になるわけで、宗教的なイメージを毛嫌いする人は
拒絶してしまうかもしれない。 しかし、そういった先入観は排除して純粋な気持ちで観て欲しい。
俺は十代の終わりにこの映画に出会えて本当に良かったと思っている。
特に現代の若い人たちに観て欲しい。
フランチェスコのような生き方はまず無理としても、その生き方から何かを学べるはずだ。

ブラザー・サン シスター・ムーン

ブラザー・サン シスター・ムーン

  • 出版社/メーカー: パラマウント・ホーム・エンタテインメント・ジャパン
  • 発売日: 2006/11/02
  • メディア: DVD


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びっけ

先日は訪問していただき、ありがとうございました。
同じ映画ながら、私の記事はどちらかというとオチャラケモードの前フリだったので、雨水さんの真摯な映画紹介の記事を読んで、ちょっぴり恥ずかしかったりします。
宗教がモチーフの映画ではありますが、雨水さんが書かれていらっしゃるように「若者の生き方」について考える映画として、私も多くの人に観てもらいたいなぁと思います。
by びっけ (2006-12-24 22:15) 

雨水

びっけさん、こんばんは。nice!+コメントありがとうございます。
真摯な映画紹介・・いや~へたな文章なのにそんなふうに言ってもらえるなんて(;´∀`)
ブログをやりだしてから初めてnice!をいただきました。すごくうれしいです。
by 雨水 (2006-12-25 00:05) 

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