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ブルーの見解 [音楽]


奴はただ俺の後をつけてきた男 そして俺を捕まえる
昔から良く知っているとでもいうように
「やぁ、ひさしぶり」と愛想がいいじゃないか
奴は俺の音楽について話す 俺の言葉について話す
俺の服装や俺の罪について話す でも俺は君からはみ出している

奴はただ俺の後をつけてきた男 そして俺を捕まえる
放課後の教師のように
「どうしたんだい?」と優しいじゃないか
奴は友達でもなければ 先生でもない 判事でもないし
そして俺の天使でもない 俺は君からはみだしている

奴はただ俺の後をつけてきた男 そして俺を捕まえる
すべてわかっているとでも言うように
「やぁ、元気かい?」と親しげじゃないか
奴は俺の仲間について話す 俺の兄弟について話す
俺の見知らぬ親戚や 俺の可愛い犬について話す
あぁ でも俺は君からはみ出している
____________________________
89年のアルバム「ナポレオンフィッシュと泳ぐ日」の中の、ポエトリーリーディングな一曲。
音楽に合わせて詩を朗読する音楽表現を「スポークン・ワーズ」と、佐野さんは呼んでいる。

この曲、ラップやヒップホップの原型とも取れるこの音楽的表現は、当時とても斬新で、まさに目から鱗だった。
この音楽的表現はデビュー20周年として、’00年末に限定販売された「Spoken Words Collected Poems 1985-2000」において集約され展開されている。
(残念ながら現在は入手困難になっている。再販を望む声は高い。)

アルバムタイトル曲の「ナポレオンフィッシュと泳ぐ日」。
タイトルからイメージする海や魚などの文字は全く出てこない。また、詩の内容からこのタイトルを想定することは困難だ。
そもそも佐野さんは、ナポレオンフィッシュなる魚を見たことが無かったという。
語感から感じとれるニュアンスやイメージを重視した結果のタイトル付けなのか、それでも違和感を覚えないから不思議といえば不思議だ。
本作の試聴はこちらで↓
http://www.neowing.co.jp/detailview.html?KEY=MHCL-709

余談:昨日この記事を打っていて、停電に見舞われた;
    正確にはこの記事とは違った内容だったかも知れない。(゚Д゚;)しばらく唖然としてしまった。
    ノートだったらこんなことは無かったが、雷に注意とマメにバックアップする必要性を感じた次第。

ナポレオンフィッシュと泳ぐ日(紙ジャケット仕様)

ナポレオンフィッシュと泳ぐ日(紙ジャケット仕様)

  • アーティスト: 佐野元春
  • 出版社/メーカー: Sony Music Direct
  • 発売日: 2005/12/21
  • メディア: CD


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コメント 16

イチロ

僕はこの曲が大好きです。昔カセット・テープで発売された詩の朗読+音楽のアルバムを持っていたのですが、無くしてしまいました。『ヴィジターズ』の頃に発売されたものですが、コンピュータによる打ち込みの音楽と詩の朗読が絶妙にマッチしていて名作だった事を憶えています。だから、再発して欲しいなぁ。と常日頃から思っています。
by イチロ (2007-08-09 18:28) 

チャッピィー

こんばんは。
難しい内容の歌詞ですね・・・
でも、歌詞の内容は成る程と
感ずるところが有りました。
by チャッピィー (2007-08-09 21:22) 

YaCoHa

こんにちは。私が知ってる佐野元春のアルバムは唯一、学生時代に聞いていた「ナポレオンフィッシュと泳ぐ日」だけです。その他は「♪冷たい夜にサヨナラ~」しか知りませんが、コレ、なんともいいタイトルですね。(笑;)
by YaCoHa (2007-08-09 23:56) 

雨水

deacon_blueさん、niceありがとうございます。
by 雨水 (2007-08-11 08:28) 

雨水

イチロさん、nice+コメントありがとうございます。
85年に小学館とエピックから出したカセットブック「エレクトリック・ガーデン♯1.♯2」ですね。コレは当時欲しかったものですが入手できず、これの全曲を新たにリミックスして2000年に発売されたのが、「Spoken Words Collected Poems 1985-2000」で、これは後年何とか入手しました。
ところがこれも限定品だったため、再販を望む声が多数あり、やっと今年の九月に「Beatitude: Collected Poems And Vision 1985-2003」と題されて、DVD付きで発売されるようですから期待したいですね。
by 雨水 (2007-08-11 08:53) 

雨水

チャッピィーさん、nice+コメントありがとうございます。
「奴」に対して相容れない気持ちを淡々と歌っていますが、比喩的な歌詞で確かに難しいですね。
by 雨水 (2007-08-11 09:12) 

雨水

Yakohaさん、nice+コメントありがとうございます。
>冷たい夜にサヨナラ
「ヤング・ブラッツ」ですね。
「カフェ・ボヘミア」や「ナポレオン~」の頃のアルバムは、躍動感があり、「若々しい元春!」といった印象です。
実際この頃はライブでも走り回っていたし。
今はいい意味で枯れたというか円熟味が増したというか・・
by 雨水 (2007-08-11 09:21) 

雨水

xml_xslさん、niceありがとうございます。
by 雨水 (2007-08-11 09:22) 

雨水

イッキさん、初めまして。niceありがとうございます。
by 雨水 (2007-08-11 09:23) 

イチロ

雨水さん、そのアルバム絶対買います。貴重な情報をありがとうございます。
by イチロ (2007-08-13 16:51) 

雨水

noricさん、niceありがとうございます。
by 雨水 (2007-08-14 07:13) 

雨水

イチロさん、コメントありがとうございます。
>貴重な情報
いえ、どういたしまして。
自分も付属のDVDが欲しいので買おうかな;
by 雨水 (2007-08-14 07:17) 

DEBDYLAN

ご無沙汰してます。
出遅れてすみません・・・。

僕が佐野元春とリアル・タイムで深く接していたのは、『VISITORS』から、このアルバムの期間です。

このアルバムのリリース後の横浜スタジアムのライブは足を運びました。

この時期、それまでの音楽的表現の変遷を昇華して、THE HEART LANDとのバンド・サウンドを確立させた時期なのでは? と、

当時のライブの記憶を思い出し、ぼんやりそんな事を考えたりしました。
by DEBDYLAN (2007-08-14 14:41) 

雨水

DEBDYLANさん、nice+コメントありがとうございます。

>出遅れてすみません・・・。
いえいえ、ありがとうございます。
>音楽的表現の変遷を昇華
自分もそう思います、このアルバムに収められている「約束の橋」について、ライナーで「この曲は初期の元春サウンドに近い」と書かれていことからも、すでに初期の3作までのカラーから脱却していたのだと思います。

横浜スタジアムのライブというと、94年伝説の「ランド・ホー」がありますね。
ビデオで持っているけど、行きたかったな・・・
by 雨水 (2007-08-15 00:17) 

mina

新しい「コヨーテ」も全然コヨーテじゃないらしいし(笑
そこが彼の魅力のひとつでもあるのかもしれないですね。
疾走してる感じのデビュー当時のアルバムも好きだけど、大人になってオーケストラで歌ってみたり、余裕のある感じの佐野元春も好きです。
これからも素敵な音楽を作り続けてほしいな。
by mina (2007-08-20 00:49) 

雨水

minaさん、コメントありがとう(遅くなりました)
「コヨーテ」まだ買ってないんです;うーん、よし注文するか。
by 雨水 (2007-08-25 07:00) 

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