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インプロビゼーションの名演を聴いてみる。 [音楽]

キースジャレットの「ケルン・コンサート」を聴くたびに感じることなのだが、パート1の出だしの一音から部屋の空気が瞬間的に清浄化されたような錯覚にとらわれる。
どんな状況であろうとも、あたり一面は静寂の世界に包まれてしまう。
非常に緊張感の高いプレイなのに不思議な事だ。しかも即効演奏。

凡人の考えとしては通常、即効で演るというのは演奏者自身がキャリアの中でのテクニックを駆使して一定のパターンで音を繋げて行くようなもの、もっと悪い見かたをすれば、全くの思いつき、デタラメな散漫で退屈な演奏の連続をイメージしてしまうのだが。
しかしキースの「ケルン・コンサート」については、全く違う。別物だ。
インプロビゼーションは、その名の通り即効なのだから、生では二度と聴けないし再現するのも困難だ。
したがって、演奏家の体調なども大いに影響があるだろう。
事実この1975年1月のケルン・コンサートの録音では、キースの体調は万全ではなかったという。
それなのにこの緊張感溢れるプレイ。まさに天才のひらめき。
時おり聴こえるキースのハミング。まるで何かに憑り付かれているのでは?とも思ってしまう。
この当時の演奏をこれだけ優秀な録音状態で聴けるということは素晴らしいことだ。
また、情報量はそれだけにとどまらず、キースが放つ凄まじいまでの集中力とエネルギーを同時に感じ取れる意味において、このアルバムは一聴の価値は充分すぎるほどある。
では、「ケルン・コンサート」からパート1を聴いていただこう。
http://nyouichi1.hp.infoseek.co.jp/keith%20jarrett%20-%20keith%20jarret%20koln%20concert.mp3

ザ・ケルン・コンサート

ザ・ケルン・コンサート

  • アーティスト: キース・ジャレット
  • 出版社/メーカー: ユニバーサルクラシック
  • 発売日: 2005/09/14
  • メディア: CD


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コメント 4

チャッピィー

おはよう御座います。
黒い背景に白い文字・・素敵なブログスキャンですね。
これからも、宜敷お願いします。
by チャッピィー (2007-05-09 05:03) 

雨水

連名で失礼します;
noricさん、deacon_blueさん、イチロさん(初めまして。)、xml_xslさん、皆さんnice!ありがとうございます。

チャッピィーさん、nice!+コメント、それにほめて頂いて、ありがとうございます。
by 雨水 (2007-05-09 20:10) 

イチロ

僕のブログに来ていただき、コメントまで頂きありがとうございます。
このケルンでのキースの状態(体調)は本当に悪く、またピアノも調子が悪かったといいます。
本当に何か神がかり的なものを感ぜずにはいられません。
キースのどの曲に於いてもインプロヴィゼーションには毎回聴くたびに感嘆してしまいます。
by イチロ (2007-05-10 00:04) 

雨水

イチロさん、コメントありがとうございます。
自分は音楽については雑食ですが・・ケルン・コンサートは聴くほどに新たな発見があり、音楽を真剣に聴こうというスタンスをいつでも再認識させてくれるアルバムです。
by 雨水 (2007-05-10 19:23) 

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