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ケイデンスとカスケイド [音楽]

伝説的な名盤「宮殿」の影に隠れてしまい、不遇な存在の2nd。
幸か不幸かスタートでいきなり頂点に達してしまい、分解寸前のクリムゾンを何とか収拾し、体裁を整え取り繕ったフィリップ卿と詩人シンフィールドの努力がにじみ出たアルバムでもある。
これは難しいのだろうけど、どうしても「宮殿」と比較されてしまうし、前作と同じような音作りで2番煎じといわれても仕方がない面はある。
「宮殿」は結果的にバンドを分解に導いてしまったけれども、とりあえずの救済方法も示してくれた訳だ。
コピーと言われようとも、ある意味そうすることが必然だったのかもしれない。
けれどもあえて「宮殿」の存在を抜きにして聴いてみても、動と静の世界がシンメトリカルに表現され、あわただしい実情は全くといって感じ取れないまとまりのあるアルバムである。

やはり、この「ポセイドン」を境に、EL&Pに行ってしまうグレッグの存在が惜しい。
初期のクリムゾンはメロトロンの轟音と、グレッグの古風な美声が看板だったように思う。
前作の「I Talk To The Wind」によく似た 「Cadence and Cascade」はグレッグでは無く、ハスケルがボーカルを取っている。
けたたましいサックスが響く2曲目の「Pictures Of A City」から一転し、暖かい春の野を連想させるこの曲は軽いめまいと虚脱感、眠りを伴う。
ハスケルの評判が良くないのを抜きにしても、やはりグレッグと比べて線が細い。
でも、決して悪い声では無いし、弱々しいが曲のイメージに合っていると思う。

個人的には「宮殿」よりもこの「ポセイドン」の方をよく聴く。なんというか「宮殿」よりもきつい感じが無いのだ。(悪く言えば緊張感が無いということになるのだが;)
初期の4作にはイメージがあって、この2ndは「天・地・火・水」の「水」にあたる。
(確かフロイドも同じような事をやっていたな)
前作が「火」でこれは「水」。このアルバムが聴きやすいのはその辺が要因であると思う・・
では、個人的にも好きな「Cadence and Cascade」。
http://user.chollian.net/~kmployd/music/cadence.mp3




ポセイドンのめざめ+2(ボートラ入り)(紙ジャケット仕様)

ポセイドンのめざめ+2(ボートラ入り)(紙ジャケット仕様)

  • アーティスト: キング・クリムゾン
  • 出版社/メーカー: WHDエンタテインメント
  • 発売日: 2006/02/22
  • メディア: CD


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