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夜明けの口笛吹き [音楽]

「The Piper At The Gates Of Dawn」
何となく「かごめの歌」の夜明けの晩というフレーズを連想してしまうピンク・フロイド
のファーストアルバムだ。
的がずれた邦題が多い洋楽の中で、この邦題は大成功だと思う。
直訳すると、「夜明けの門の笛吹き」 となるのだが、なんだか不思議で幻想的な雰囲気だ。

ピンク・フロイドの数ある作品の中で、このファーストだけが異質というかポップ色が強い。
プログレと言うよりもサイケデリック・ロックで、現在のギルモア・フロイドの作品とは
全く内容が異なっている。
なぜなら、この時期のフロイドはシド・バレットのワンマンバンドと言っても過言ではなく
作品もほとんどシドが手がけている。
「Interstellar Overdrive 」イントロのギターリフがめちゃくちゃカッコイイ。が、聴いていくと
幻覚的というか分裂気味で不気味な曲だ。
アルバム後半の「The Gnome (地の精)」等はなぜか童謡のようなサウンド。
最初はとっつきにくいが、何回か聴いているうちにまた聴きたくなってしまう不思議な魅力がある。
このアルバムの有名な逸話で、Beatlesが同じスタジオ内であのサージェント・ペパーズを丁度
録音中で、Beatlesのメンバー、特にポールが何回も見学に来たという。
「彼らにノックアウトされた!」という有名なポールの言葉が残っている。

このアルバム制作中シドはLSD多用よって、すでにまともじゃなかったらしい。
またこの時期のライブ演奏中、何を思ったか途中で帰ってしまったり、演奏を突然やめて
唖然とした表情で呆然と立ちつくすといった、奇行が目立つようになる。
結局、たった一枚のこのアルバムを最後に自ら作ったフロイドを脱退させられてしまう。
彼はその後、わずかなソロを発表した後、完全な隠遁生活に入ってしまう。
彼のソロの「帽子が笑う・・」は、さすがに狂気じみていている。
曲の途中で歌詞をトチッて、歌い直ししているのをそのままレコーディングしていたりする;
初めて聴いた時は唖然としたものだ。

でもシド・バレットはよく言われる紙一重の人であり、カリスマ性があり、全世界に
熱心なファンがいる。かっこいいしね。
隠遁生活中も変わり果てた姿をパパラッチに激写されたりしたが、昨年秋に
糖尿病による合併症のため60歳でこの世を去ってしまった。

では、「夜明けの口笛吹き」から、一曲。「Lucifer Sam」
http://www.pissyeller.org/P1/02-Lucifer%20Sam%20_%20Pink%20Floyd.mp3

The Piper at the Gates of Dawn

The Piper at the Gates of Dawn

  • アーティスト: Pink Floyd
  • 出版社/メーカー: EMI
  • 発売日: 1990/10/25
  • メディア: CD


帽子が笑う不気味に

帽子が笑う不気味に

  • アーティスト: シド・バレット
  • 出版社/メーカー: 東芝EMI
  • 発売日: 2006/09/29
  • メディア: CD


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コメント 3

rudeboy

励ましの書込み感謝いたします。
ブログ早速拝見いたしました。ピンクフロイドは聞きます。
個人的には銭湯に久しぶりに行きたくなりました。
by rudeboy (2007-02-21 21:03) 

雨水

rudeboyさん、nice!+コメントありがとうございます。

偶然rudeboyさんのブログ「去る者追わず。。。」 を読んで昔の自分を
思い出したんですよ。まぁ、深く考えず気楽にやればいいと思いますよ。
人生は長いんだし。
by 雨水 (2007-02-22 15:12) 

雨水

deacon_blueさん、nice!ありがとうございます。
by 雨水 (2007-02-22 15:16) 

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