「失踪日記」を読む [漫画]
久々の更新です。
5月はゴールデンウィーク。もうとっくに過ぎてしまったけれど、
旅行に出かけてみたり、田舎に帰って久々に友人に会ってみたりと
ささやかながらも思い々充実した一時を皆様過ごされた事でしょう。
僕は休んだ気がしなかったですねぇ・・いろいろありまして。仕事とか・・
仕事は精神的に滅入る問題を引きずってて、とうぶん解決できそうに無い。
でもまぁ、そんな状況をあえて楽しんでる感覚も少しあったりして。
余裕があるということですかねぇ・・伊達に歳取ってないわけで。
これで若かったら「五月病」とか鬱とかになるのかなぁ?わからないけど。
そういえば、うちの会社に新人君が入ったわけなんですが、連休明けて
出てこないですねぇ・・で、どうやら辞め(辞めさせ?)たようです。
確か去年か一昨年も同じような事が・・
そりゃ、確かにきつくて面白くない仕事かも知れないけど、仕事=お金ですからね。
それに内容が解ってくれば、少しは楽しくなってくるものだし。
割り切って考えればいいんだよね。それと自分を他人として見るような感覚も。
今時の若い子を見ているとそんなことを感じてしまう。
・・何だかえらそうな言を書いてしまった;消そうかな?まっいいか。
そーいえば、最近こんな本を読みました。漫画です(^^
2005年に出たこの「失踪日記」。丁度僕はこの時期海外で仕事をしていたので
こんな面白い漫画が出ているとは知らなかった。
この前、図書館で漫画を読んでいたら丁度この本があったので・・借りました;
(え?買ったんじゃ無いのд? そう、正直に申せば今も借りてます;)
吾妻ひでおさん本人の失踪体験を素に書かれた漫画です。
内容は三部構成。
89年全ての仕事に嫌気がさして自殺するため西武線に乗り、山の中に入るも
死ねず、そのままホームレスになるという体験を描いた「夜を歩く」
92年仕事に復帰するも原稿を落として、またまた逃亡。歩道橋の下や公園などを拠点に
街を徘徊、その後配管工の仕事にありつく。ガテンな世界に身を染める姿を描いた「街を歩く」
98年アル中になり、精神病院に入院。病院での日々、そこで織りなす人間模様をリアルに描いた「アル中病棟」
巻末に漫画家のとり・みきさんとの対談が加わる。
吾妻ひでおさんといえば、炉な美少女漫画や不条理漫画で有名で、その独特な作風から熱狂的なファンがいる。
僕としては特にひいきな作家では無かったのだが・・この「失踪日記」凄すぎた。
「この漫画は人生をポジティブに見つめ、なるべくリアリズムを排除して描いています。」
冒頭にそう書いてある。そして絵のタッチは丸くかわいらしく明るく、悲壮感は漂わないように描かれている。
しかし実体験による描写と記述は非常に生々しくたとえば、
ゴミ捨て場で拾ったリンゴの腐敗による醗酵で凍えた手が暖まり、微生物の力に感心したり。
分別ごみの日に酒ビンの底に残った滴をかき集めて一本のカクテルを完成させたり。
ビックリマンチョコの法則(シールだけ集めてチョコは捨てる)を利用した収集所の選定など
都会的なサバイバル?を生き抜くための創意工夫が随所に見られる。
辛い現実からの失踪という、意思の弱さとも思える要因によって生じたホームレス生活ではあるが
それでもその状況に順応して雑草のように生きるさま、力強さがあって、読んでいくと明るい気持ちになっていく。
「何だか楽しそうだなぁ」と。
だからこそ・・でも無いが、人生の活路を見出せないでいる若者にこの本を薦めたいと思う。
漫画であるという、とっつきやすさもあるし。
いや、何もこれに見習ってホームレスに成れとは言わない(笑)
この漫画、気になってたけど、まだ読んだことなかったんです。
あの作風からガテンが想像つかないんですけど~。
うちの会社は離職率が非常に高いです。
電話業務ってストレスが多いといわれてるせいでしょうか?
でも、実際には雇用時の問題があるように思う今日この頃です。
研修中に居眠りしたり、平気で決まっているシフトを自分の思い通りできないと後から変更届を出してむりやり自分の意思を通したりと。
雨水さんの言うとおり、仕事は生活の糧のはず。
いろいろ割り切っていかないとね。
会社側にも実際には割り切られてるとこもあるんだろうな(笑
by mina (2008-05-14 07:14)
こんにちは。
このマンガの存在は知っていましたが、ある程度フィクションだろうと思い込んでいました。
本当の本当に、実話だったんですね。(^^;
簡単には言えないことだけれど、ホームレスになる根性?があるなら、ある程度の試練は乗り越えられるのでは・・・と思います。
あっ、でも、職場の人間関係のドロドロだったら、ホームレスの方が楽かなぁ・・・。
いや、ホームレスにもホームレス社会の人間関係がありますよね。
by びっけ (2008-05-14 23:30)
minaさん、コメントありがとう。
ガテン・・配管工のくだりは面白いよ。
正直俺、配管工ってどんな仕事なのか分からなかったけど、コレ読んでよく理解できたよ。
自分ひとりで解決できる仕事が良いよね。チームでやる仕事ってすごい苦手。
些細な事で腹立つことも多いしね。・・でも割り切るしかないよね。
この本でも組んで仕事をする難しさが描かれているんだよ、結局それで配管工から足洗うわけ。
by 雨水 (2008-05-15 04:50)
びっけさん、nice+コメントありがとう。
取材のための体験じゃなくて、真実のことだから迫力ありますよ。
変な話、ホームレスちょっとやってみたいな?なんて気持ちが少し起きた(笑)
でもまぁ、ホンとにやれって言われても度胸は無いなー;
by 雨水 (2008-05-15 04:56)
久しぶりの更新だ!
雨水さんは文章が面白いので、どんどん更新して欲しいです。
そういえば、前回のヨシギューですけど私にもいい思い出があるんですよ。というのもその昔バンドやってまして、深夜リハーサルが終わると帰り道、横浜の外れなんですけど16号線沿いにありまして、いつも寄ってました。店内はクラッシックが流れていて、ああ、ここの店員の好みなんだな~と思ってました。外は深夜にも拘わらず交通量も多く、酷い喧騒なのですが、店に入るとフッと楽な気分になったのを覚えてます。
まあ、なぜか夜のヨシギューって、孤独で自分を見つめる瞬間があったりします。
そして、今回の記事も雨水さん独特の、内観的な文章ですね。
>割り切って考えればいいんだよね。それと自分を他人として見るような感覚も。
このフレーズは成長しないと実行することは出来ませんな。しかし裏を返せば、成長したら出来る、ということですな。
またの更新を待ってます!
by NO NAME (2008-05-15 18:37)
↑
これは、私です。
なぜか、GUESTとNO NAMEです。
by ダッタン人 (2008-05-15 18:48)
ダッタン人さん、nice+コメントありがとうございます。
>孤独で自分を見つめる瞬間
深夜のヨシギューというのが良いんですね。
深夜のファミレスは一人ではただ寂しいばかりだし、深夜のラーメン屋さんで自分を見つめていたら麺がのびてしまう・・
昔から、真夜中に行っても灯りがあって安堵したものです。
中島みゆきさんの昔の歌で「夜明け~間際の~吉野屋では・・」という30年位前の古い歌がありますが、その頃から24時間やってたわけですねぇ。コンビニも無い時代。。あの歌もずいぶん内省的な歌でした。
>割り切って考えれば~
何だか偉そうな言を書いてしまいました。。おっさんの説教みたいですね;うーん、割り切りすぎるのも良くないですね、若いときは「なっとくいかねー!」とか反発するぐらいの方が良いのかも。。
>またの更新を待ってます!
ありがとうございます。まぁ、あまり期待しないでください(笑)
by 雨水 (2008-05-16 05:07)
xml_xslさん、niceありがとうございます。
by 雨水 (2008-05-25 06:39)
noricさん、niceありがとうございます。
by 雨水 (2008-05-25 06:40)
Yakohaさん、niceありがとうございます。
by 雨水 (2008-05-25 06:41)
お久しぶりです。来訪いただいたお礼が遅くなってすみません。
う〜ん。凄い。
この漫画、ぜひとも読んでみたいですね。
by イチロ (2008-06-10 18:34)
イチロさん、nice+コメントありがとうございます。
>来訪いただいたお礼が遅くなってすみません。
いえいえ、お元気そうでなによりです。
なんというか、すごくタメになって面白いまんがです。
だれもこんな世界を描く漫画家はいなかったので新鮮です。読むと少し疑似体験も出来ますしね。
by 雨水 (2008-06-12 18:54)